たけくまメモ【OFF会】参加しますた…

今回からカテゴリーを追加した。
これは僕なりにエポックなんである。
12月26日、たけくまメモのOFF会に参加した。
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当日の様子。坊主頭の右斜め前が僕。
今までいくつものOFFに参加したけれど、今回のOFFは、自分の人生を振り返るに値するOFFだったように思う。
たけくまメモOFFでは、わかっていたこととは言え、いかに自分が薄いかを思い知らされた。すでにたけくまメモにはそのレポートが寄せられているので、その片鱗でも感じて欲しい。いくつかのblogではかなり正確なレポートが載っているので、たけくまメモのトラックバックを辿ってくれ。
僕はこのOFFで何があったかということではなく、僕が何を感じたかを書くことにしよう。
僕は自分のことをオタクになりきれぬオタクだと思っている。
今の時代、オタクは称号なのだ。宅八郎君、東海SFの会の元会員、宅八郎君。君の言った事は正しかった。僕らは20年の時を経て君の正しさを証明しているよ。
僕はオタクに憧れを持っている。彼らは宝石泥棒 (と書いてトレジャーハンターと読め) だ。荒野の前線に立ち、傷つくのを恐れず、自らの信じるところにより、自分だけのために財宝を探るのだ。……


オタク道は非情な勝負の世界である。オタクたちはすれ違いざまに相手の技量を見抜き、刀の柄に手もかけず、一瞬で勝敗を決するのだ。敗者が選べるのは名誉ある死ではない。残りの人生の全てをオタク道にささげるか、あるいは負けを認め、いかに自らが薄いか、魂に深い傷を抱えたまま敗残の無間地獄をさまようしかないのである。
僕は誰より、理想と、自分の能力と、何よりも気力 -それはしばしば勇気である- の落差を前に佇んでいる。
僕はオタクでありたいと願うけれど、真のオタク、真の勇者の前には自分の卑小さに頭をたれるだけだ。僕は彼らに憧れ、彼らの周りをウロウロしているに過ぎない。
永野のり子や水玉蛍之丞がSF関係の賞を受賞したとき「SF様の端っこで畏れ多くもちょこちょこ遊ばせていただいているのに過ぎないのに…」という意味の発言をした気持ちはよくわかる。 彼女たちでさえそうなのだから、この僕が、畏れ多くもオタクについて何か申し上げようなどとは決死の覚悟で臨むしかないのである。
今僕の背中には脂汗が流れている。
オタク神は祟神であり忌み神である。
オタク神の逆鱗に触れ、末代までの宿痾を背負わないとは誰にも言えまい。
  …あるいはそれは歓喜であるのかもしれないが。
僕は、小飼さんが、会ったこともないたけくまさん(とその集団)を自宅に招待した意味がわかる。
小飼さんは若くしてお金を手にしたけれど、それを手にするのが目的ではないのだ。
もちろん、お金を手にすれば便利だし、自分の価値を確認することができる。しかし、それは自分の価値そのものではない。小飼さんにとっては。
小飼さんは金持ちの気まぐれでたけくまさんを招待したわけじゃない。小飼さんはたけくまさんの濃ゆいオタクトークをその身に浴びてクリエイティビ魂に刺激を得たいと考えているのだ。それは家族を疎開させてまで知の栄養を得るためのものなのだ。
「とうちゃん、なんで僕ら出て行かなくちゃいけないの」
「たけくまさんという知の巨人が来るからだよ」
「あんた、この子が可愛くないの? なんでこの寒空に」
「バカモノ、天下国家を語る志士が揃うこの時がいかなる好機か女子供にはわからぬか、お前も俺の妻ならば、ぢっと堪えるも内助の功ぞ」
「えーん、おとったんさみしいようひもじいよう」
「明日までの辛抱だ、さ、おっかさんとはぐれぬようにな」
と因果を含めて送り出したその後に、僕らは強い毒電波を発しつつ鉦と太鼓で乗り入れたわけだが。
小飼さんのお宅にお邪魔してすぐ、僕らが勝手にリカちゃんを話題に話をしていたとき、小飼さんは嬉々として「全共闘タイプのリカちゃん人形ってあるんですかねー」と話しかけてきて、唐沢なおきのマンガを持ってきた。
ああ、この人は同じにおいがする。
オタクが持つ腰の刀は錆びていない。
僕らは金持ちになりたいとか、いい大学に入りたいとか口にする。
あるいは「映画監督になりたい」とか。
しかし、金持ちになること、いい大学に入ること、映画監督になることは目的ではないのだ。目標・みちしるべ ではあるかもしれないが、目的ではない。
小飼さんの人生の目的は「リカちゃんに全共闘タイプがあるか探ること」である。
あるいは「リカちゃんの全共闘タイプを自作すること」だ。今そう決まった。
それは金では手に入れられぬものなのだ。
たけくまさんは金では手に入れられぬ知を手に入れた。
狭くて深くて暗くて臭い孤高の知である。
それは孤高であるほど尊いのだ。
J・A・シーザーって知ってっか? いやオラあ知らないんだが。
そういう狭くて深くて暗くて臭い、誰も振り向かぬ趣味だからこそ、そっち方面ばかりを追求するU田川T夫氏は、最初のとっつきにくい印象とは全く変わり、見事なまでの自己中心的な毒電波で独走し、僕たちを置いてきぼりにしていった。それを清清しいと言わずして何と言うのか。
オタクのオタクたるもの、生活が成り立っているとか、家族がいるとかいう時点で三文安いと思わねばならない。オタクがオタクとして生きていくなら、多少は生活は破綻するものである。むしろオタクの真価は破綻してからだ、とさえ言える。
石ノ森章太郎のマンガ資料のためにエアコンつきの書庫を2軒建てたやつ。
食事をせずに栄養失調になったやつ。
映写機を自作するやつ。
奥さんに働かせてバイクにターボをつけたやつ。
それは僕らオタクにとって、遠い世界ではない。
平田さんが旋盤やボール盤、フライス盤くらいは持っているのは不思議じゃない。2柱リフトだってあるかもしれない。チェーンブロックだってユニックだってローダーだって持ってても不思議じゃない。いや、むしろ、それは始まりに過ぎない。
そういうのを使って、オースチン・ミニのエンジンをDOHC4バルブのシリンダヘッドを自作してしまうくらいになれば尊敬を集めるようになるのだ。
しかしそうした人にとっても、もっとスゴイ人はいる、と平然としているのが、オタク世界の狭くて深くて暗くて臭いところなのだ。
そして、そういうことを全部自分でやってみて、見回せば誰もいないのを確認して、はじめてオタクとして一人前になった、と実感することができるのだ。
僕はまだひよっこに過ぎない。この先、リッパなオタクになれるとはとても思えないが、もし、僕がオタクと言えるようになるには、「こんなことをやってるのは世界で俺一人かもしれん」と思ってから、初めて言える言葉なんだろう。
世界一。そうでなければオタクとは名乗れない。
世界一の世界、見せていただきました。
えらいもんを見せていただきました。
どこからみてもオタクです。
本当にありがとうございました。

3 thoughts on “たけくまメモ【OFF会】参加しますた…

  1. だいじょうぶ。APCなら安いし、自動シャットダウンソフト「パワーシュート」もついてます。
    まあそれなりのオタク…げふんげふん、お宅ならば、一家に一台くらいはサーバはあって当然。サーバがあればUPSは必要。必要なものを導入するのは趣味じゃありません。実用です。一般人ですよ。

  2. オタクもといお宅ならサーバとUPSですかw
    あはは、確かに欲しくて買ったワケじゃないですね。
    XeonDualなサーバ機のほうがもっと欲しかったですが
    オタクなお宅ならXeonDualも当たり前なってほしいですw

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