電車男(ガッカリ)

えー。
きっと何ヶ月かしたら、このタイトルだけじゃ何がおきたのかわかんないと思うのでちょっと書きますとですな。
いま、2ちゃんねるで話題になった「電車男」がテレビドラマ化されてるのですよ。
それを家族で見てるわけですが。
なんでこんな大袈裟な演出をするかねえ。
坦々と進む群像劇にした方がいいじゃん。
皆、キーボード前にして「どっひゃー」「うぎゃぁ!」「むほほーい」とかリアクション取ってる訳?
すまん、俺、今パンツいっちょで背中でテレビ聞きながら黙々とポチポチキーボード打ってるけど。
皆さんはどうですか。
…いや、別に聞きたいわけじゃないです。
饒舌なのはAAとコメントでいいじゃんか。
俺は今日、秋葉原へ仕事で行き、渋谷のハンズへ寄って帰ってきた。
オタクの町とファッションの町ってことですかね。
でも、どっちもどうってことなかったよ。どんな店があるかってだけで、同じ町だよ。
それにさあ。
コゾウどもよ。俺の奥さんよ。
そんなにそのドラマおもしろいか?
オタクを見たきゃ、今、目の前にいるじゃんよ。
電車男が恋愛のために脱オタク化する物語だとしたら、それは俺は激しく否定するぞ。
オタクは「生き方」だ。
オタクはなるものじゃない。オタクは血だ。
オタクが不幸だから恋愛をして幸福になるんだなんてやめてくれよ。
オタクは内的に豊かな生き方なんだよ。
芦屋小雁を知ってるか?
彼は怪奇映画の世界的コレクターで、ビデオは言うに及ばず、フィルムから膨大なコレクションを有していて、毎週のようにマニアを集めて自宅で上映会を開いていたのだ。
ところが、年の離れたアイドル(斉藤とも子)と結婚することになり…
斉藤とも子は小雁のコレクションを全部始末させた。
小雁は脱オタクとして幸せになったと思うか?
世間に誇れる立派な業績を卑俗な価値観で始末させた女が、男心の何がわかるものか。
斉藤とも子が捨てさせたのはコレクションだけじゃない。小雁のプライドも捨てさせてしまったんだよ。
男のプライドはチンコに直結してるんだよ。
オタクがオタクをやめるのは去勢されたのと同じなんだよ。
オタクを好きになる女子よ。
シロウトさんの女子よ。
ノンケの女子よ。
もしオタクとつきあっても、オタク世界はほっといてくれ。いちいちあれこれ言わんでくれ。
こっちも君のコトが好きだから、少しは身奇麗にするから。君のためにパソコンを選んだり組み立てたり設定したりするから。ケイタイの便利な使い方を教えてあげるから。
僕は君の化粧品が何なのか、君の洋服がなんなのかわからないけど、時計やバッグはわかるから。
そんなふうに、お互いを大事にすることが僕たちが分かり合うために必要なことだよね。
僕は君を愛してるよ。Love.

6 thoughts on “電車男(ガッカリ)

  1. おれも観ましたけど、あれはあれでアリなんじゃないかな、という気がしました。
    主人公の山田君(映画版の主演の山田孝之君が出てたのには笑いましたが)、ヲタなんだけどハマり切っていない人として描かれてましたね。
    木曜10時に放映されるプログラムとしては、あの辺が限界なんでしょう。
    ヲタと言えば、おれの所のエントリもヲタの手になるものですが、おれは自分が知っていることをbroadにcastするという目的で書いてますし、自己完結はしない、という前提を置いています。
    しかし世間での認識は、「ヲタ=自己完結」でしょう。実際、おれが最近立ち寄っていないアキバには、そうした人が大勢集まっているんだと思います。
    ストーリーテリングの上では、「立場が相反するヒーローとヒロインが、最後には意思を同じくする」というのが、既に陳腐となっているくらいに普遍的なものとしてあるわけです。しかし、立場が相反していたとしても、通底するものに共通点が無ければ、ストーリーは成立しない。
    「設定はヲタだけど、足首フェチの友人に対して奇異の念を抱いたりする、ピュアな人格を持つ主人公」として、木10の「電車男」では描かれていたと思うんです。そして「エルメス」も、かなり天然な女性として描かれていました。
    「ヲタとしての拘りが実は無い、ピュリティのみで出来ている男」として、ドラマの「電車男」は進んでいくんだろうなぁ、と思っています。
    このエントリの最後の一段落、全く同意です。理解は出来なくとも、相手にとってのそれを、自分も大切に思うということ。It is the real LOVE.
    でも、「エルメスのバッグ買ってぇ」なんて言われたら、やっぱ困るな。自分で買ってくれ。

  2. はじめまして。玄倉川さんのところからまいりました。
    電車男は観てないのですが、小雁のことで思ったこと。
    世間の奥様がた、というのは、オタクのみならず、
    亭主の趣味に厳しいと思います。
    というか、「家庭」というのを
    自分の趣味一色でまとめようとする傾向があり、
    それについてはいずれ書いてみたいなあと思ってます。
    (あのショートケーキみたいな家と
    小物屋まがいのインテリアとか)
    何にせよ、趣味というのは相手の人格ですから、
    それにリスペクト払えないやつは、
    自分の趣味嗜好を云々する立場にはないと思います。

  3. 私の趣味があなたの趣味を活かす事が出来ます。
    って、その、狭~い一点のみで評価されてます。電ドリの扱いが彼女より上手かったりした時に。お好みのデザインの壁掛け棚を作ってあげた時に。一瞬で節分用のお面を作って子供を笑顔にさせたときに。・・・邪魔者扱いされてますよそれまでは、その後も。
     生き方が強烈なんですかね、引きずられてくれてますよね、うちの奥さんも兄の奥さんも。奪ったら死んじゃうって気付いてるのかもしれないですが。どちらにせよ、感謝の念は忘れちゃいけませんよね。つい忘れますけど。面倒なんで。自分中心なので。

  4. どうも小雁師匠のことをいってくれてありがとう。
    ある意味おたくのはしりですからねー師匠は、
    でも棄てられなくて結局はとも子さんとは別れてしまいましたが
    おたくをあのドラマはまるで宇宙人でも扱うような感じがしますよね。
    結局スパイク・リーが出てくるまで黒人映画が無かったように普通に描くことなどできないのでしょう。

  5. サプライズさん、いらっしゃいませ。
    僕は小雁師匠のことを尊敬してますよ。それでこそ漢だ、おたくの誉だと。
    しかし、おたくなんて、今じゃ世の中にありふれているんじゃないですかね。そういうありふれた現象を戯画的に扱うのはやっぱり違和感があるんですよね。

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