Turbo

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 もともとターボエンジンには興味があった。
 20年近く前からバイクにターボをつけてみたいと思っていた。


 いろいろ考えて調べたんだよ。
 圧縮比を落とすにはシリンダーにゲタを履かせるのが簡単、とかゲタ履かせるとエンジンの全高が変わってバルブタイミングが変わってしまうとか。
 ターボをそれなりに働かせようとするといろんな問題が考えられたけど、一番考えさせられたのが吸気系だった。
 ホントはインジェクションの方がいいに決まってる。特にターボはね。
 なんでかって言えば、燃料の流量を制御できるってことに尽きる。
 例えば倍の出力を出そうとしたら、倍の燃料(と空気)が必要なんだけど、100の口径のメインジェットを200の口径に変えるなんて大変なことだ。
 メインジェットをでかくしたら、それに見合う空気を送り込む必要があるけれど、空気の量を増やすにはキャブの口径を大きくするか空気の流速を速めるしかない。
 もちろん流速はエンジンのピストンスピードで決まってしまうから実際に変えられるのは口径だけだ。
 ところがキャブって生じた負圧でガソリンを吸い込むものだから、口径を大きくすると低速時の流速が遅くなり霧化しにくくなる。レスポンスが悪くなるし今度は十分なガソリン量が吸えなくなってしまう。
 特にオートバイは過渡特性が重要で、レスポンスがスムーズじゃないとまともに乗れなくなっちゃう。ドラッグレーサー専用じゃあ日本じゃ乗れるところが限られてしまう。
(アメリカじゃあそれでもいいや、っていう人たちも多いけどね)
 ましてや、加圧して空気を押し込むターボでは過渡特性がぜーんぜん変わってきてしまう。負圧の状態と正圧の状態じゃあ流量も流速も違うんで、ジェッティングなんて全然狂っちゃってどうしようもなくなってしまう。
 加圧された状態だとキャブの中の圧力バランスが狂ってしまってオーバーフローを起こしたり、エアのポートからガソリンを噴き出したりする。
 で、キャブ全体をエアボックスで覆って周囲から加圧してやれば圧力差の問題はなんとかなるにしても、そうするとガソリンが沸騰するパーコレーションを起こしやすい。
 実際、その頃のクルマのエンジンのL20キャブターボなんかじゃそういう問題があって思ったほど出力は上がんないしドッカンターボになると聞き、やっぱり同じ手法じゃバイクには向かないと思っていた。
 じゃあ、ターボ本体の<前>にキャブをつけてやればいいってんでそういうターボもある。ま、70年代のZ1Turboの頃からの伝統的な手法だーね。確かに確実だけどスマートでもセクシーでもない。
 これだとインタークーラーはつけられないしパイプレイアウトの関係からレスポンスは悪くなる。
 せっかくつけたのに出力はそれほど期待できない。30%増しくらい? それでもコストパフォーマンスは良いし十分以上の出力なんだろうけれど「オラァ酔狂でターボつけようとしてんだ、ゼニカネじゃねえや」という気もしてくるってもんだ。
 それにターボのタービンに常にガソリンがかかってるわけで、熱歪みや油膜切れが起きないか心配だ。(大丈夫だってアメリカ人は言うけど、大抵大丈夫じゃあないんだよな。しまいにゃ「直せば大丈夫だ」って言い出すからな)
 だからインジェクション、なんだけど、残念ながらオートバイ用のインジェクションのシステムとしてホントにいいものは最近になるまで出てこなかった。
 昔のカワサキのDFIなんて、シングルインジェクションだしCPUもお粗末だったし違法CB無線の電波で止まるって言われてたし、そもそも第一クルマと違ってサブコンもフルコンもつけられるようなものなんか無いんだから。CPUのフルスクラッチなんてまるきり夢物語で価格の面だけじゃなくてノウハウなんてどっこも持ってないんだから。
 やっとここ数年で「ハルテック」なんて製品も出てきたくらいなんだよね。
キャブ補足
 実際はターボで加圧したエアでも、強烈に加圧しなければ大丈夫みたい。
 ホンダCBR1100XXのキャブターボ (240ps) もあるし僕も乗ったけど、全然問題なかった。
 バイクのキャブって最近はラムエア過給してるからある程度の圧力には耐えるようになってるのかもしれない。キャブそのものの性能も昔のヤツなんかと段違いだしね。
 キャブのジェッティングも「最初はノーマルで大丈夫。いろいろやってから変えてみ」とモーターヘッドも言ってた。当然圧力を上げれば燃料の量も増やさなくちゃいけないだろうけど、「まずつけて、乗れるようにして、それからパワーアップしていけ」という考え方はまっとうだよな、と思った。
 ある程度なら流量が増えただけでも同じジェットでも対応できるのかもね。

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