合気道地獄変

通りすがりのmikenekoさんにご意見いただきましたが。
通りすがりと言いつつ、なんかずいぶん通りを渡った向こうからわざわざ通りがかっていただいてるような気がしますけどね。

まず技の限界を知る意味で試合経験または喧嘩や他の試合のある武道で経験を積むことは、重要だと思いますよ。

…いや…さすがに… ストリートファイトして度胸と場数を身につけるって年齢じゃないんでカンベンしてください。
それにやっぱり、人生をかけて真剣に格闘技に対峙する、というところまでは僕はいけそうにないです。どんなことであれ、ひりつくような渇望がないと、絶対に頂点にいけないことを僕は知っています。頂点に立とうと目指している人は、しばしばものすごく自分勝手で負けず嫌いで容赦がないし、他のものを犠牲にしても犠牲にしているという意識さえありません。寝ずに何かに取り組んだり、ご飯を抜いたり、外国まで出かけたり、結婚しなかったりします。良い・悪いではなくて、何かを究める人は、そういうもんなんです。
しかし僕は年齢もさることながら、まだいろんなものを一杯かかえてますんで、多分、そういう所までは目指せないと思います。
ほんでも、仰るとおり、どっか他も見たいとは思っていました。
自分のやってることを確かめたいっていうか。
そしたら、シンクロニシティーは向こうからやってくるもんですわ。
たけくまメモで、なんかおもしろいこと書いてる人いるなあ、と思ってその人のWebサイトドラネコ商会へ行ったら、その人がどうやら武道をやってるらしいことがわかりましてな。
なんか、武道に関してまっとうなことが書いてあるみたいだし、武道以外のところは毒電波満載でスゲー変だし、僕のストライクゾーンに時速200kmのビーンボールさ。
この旦那102芸はおもしろいから読んどけ。
この能書きに惚れて見に行きました。こういう体質だったらもし思ったような結果でなくてもシャレで済みそうだし。
いや、他の道場を見に行くってのは、やっぱ現代でもドキドキしますよ。
実は、ドラネコ商会流(仮称)へ見に行ったのは何日も前なんですけどね。
女房にこのこと言ったら「アンタ、そういうのってマナー違反じゃないの? シャレじゃ済まないんじゃないの?」なんて言う訳ですよ。「世が世なら道場破り」なんて意見もネットにはあったり、「キョロキョロしてるってこと自体が不真面目」みたいな電波も受信するわけですわ。
「お前は不真面目だ」「失礼にも程がある」「破門だ。いや死刑だ」って責められるんじゃないかと心配で、エントリが延びてたって小心者です。
先日心配になって師範代に相談したら「あー、ウチはそういうの全然ヘッチャラですよ。気にしません。行かれたらいいんじゃないですかね」と軽ぅ~く言われますた。
いやだからね、俺は前から言ってたワケよ。現代においてはそんな門外不出の武芸・武道なんてナンセンスなんだって! < 急に強気に
で、行った結果どうだったかって言うと……


ヨカッター。
何が良かったかっていえば、まず自分の立ち位置がはっきりわかった、ってコトね。
ドラネコ商会流に最近入門したっていう若い衆と組み手をやりましたらですな。
まーず、僕が習った合気道の技なんてひとっつも、ひとぉおおおおおおおっつもかかりませんわ。
K-1だとかプライドとかの格闘技でパンチ・キック主体の試合が多くなるってのもよくわかりますね。
関節技、投げ技というのは手続きが難しくて、僕程度の技術ではサッパリかかりません。
こうして組み手をやってみて、「俺はどうしようもなくヘタッピで武術家だなんて口にしたら舌が腐るほどダメダメなんだ」ってことを容赦なく知りました。
端的に言って多少はケンカの足しになるような技術を身につけたのか、と言えばチンピラにも負けるってことですよ。
すまん、僕の技術なんてホントにラジオ体操に毛が生えた程度です。
だから。
だからがんばろう。と思いましたね。もうちょっとマシになろうと。
ちゃんと使えるようになりたい。初段なんてぬるいこと言わずに、組み手がちゃんとできて技を有効にかけられるようになりたい。
mikenekoさんが言うようにいつかは3段
…くらい
…目指したい。むーふー。
でねえ。知らず知らずに癖になっちゃったこともわかりました。
師範代には「nomadさん、そんな簡単にかかっちゃいけない。もっと我慢しなさい」って言われてましたが、ピンときていませんでした。
でもドラネコ商会流師範の佐山さんに「受けを取りにいっているでしょう」と指摘されて、やっとその意味に気づきました。僕は技をかけられそうになると、それがかかりやすいように自分からその技を受けにいってるんですよ。
痛くされるのがイヤなんで、逃げずに投げられやすいように技を迎えにいってるわけです。
そんなんじゃあ防げる技も防げない。
それにねえ。技をかける時に、知らず知らず、遠慮してるんですよ。
技をかける時に「相手が痛くないように」かけようと無意識でしてるんです。
うわぁ。なんかねえ、こんな時にまで「期待に応えたがる人物像」が顔を出さなくっても…
それと、オーバーアクションってのも。
技をかけることに一生懸命で、本来の目的、相手を崩すことができてないんですね。技をかける予備動作に意識が向きすぎてオーバーアクションになってしまってる。自分の体を動かすのに一生懸命で相手の体を動かして崩すことに意識が行ってない。
崩すのはスピードとタイミング。それは動作が小さいほど有効なんです。
このオーバーアクションは、相手を崩すことができないばかりか、自分が崩れてしまい、対抗技をかけられてしまいます。
手首を攻撃しようとして、手首を掴みに迎えに行けば、その瞬間、自分の手首を無防備に相手に預けることになってしまう。
この他、上半身が固いとか指摘されましたが、これは良くわかりません。
多分固いんだろうと思いますが、じゃあ何をどうすればいいのか。どんなことをすれば固くなくなるのかわかりません。こればっかりは数こなすしかないんでしょうね。そんで、固くなくなったら「昔はバカみたいに固かったんだよね」って言うんでしょうね。「なんであんなに固かったのかなー」ってね。
じゃあ、合気道やめてこれからドラネコ商会流に入門するのか、っていうと、僕は合気道の方をがんばりたいと思います。
ドラネコ商会流にはこれからもちょくちょくお世話になりたいと思いますが、合気道のメソッドも捨てたもんじゃない、ってことも良くわかりました。
合気道が上達すれば、型なんて関係なくなる、って以前言われたことがあります。
けれど、上達するには型が必要なんです。型のひとつひとつには、その型の意味があるんです。
その意味は言語化できないんです。型の意味を言語化するとは、型を通して体に覚えさせるしかないんですよ。
てなわけで。
合気道もドラネコ商会流も、どうぞよろしくお願いします。

4 thoughts on “合気道地獄変

  1. おはよぉございます。
    いろいろ今回は面白いですねぇ。奥さんの意見と同じ事を
    知り合いの合気道?術?の女性に言われた事があります。
    そのときは技を掛けてとお願いしたんですが、それは道場破り
    と同じ事だよと。それ以来迂闊に投げてなんていえんへんなぁ~と感じてます。
    と書きながら一度のまdさんの所に見学に行ってみたかったりします。
    崩しですが相手の体を動かすのでしょうか?相手の重心を奪う事で相手が勝手に崩れていくんじゃないかと・・・最近の練習で思ったんですがどうでしょう?。派によって感じ方の違いがあると思うのでこのへんはなんとも曖昧な感を否めませんどういえばいいのか?。
    出張で3ヶ月も師の下を離れており、少々凹み気味のU爺でした。

  2. 崩しについては正直なところ良くわかりません。
    上段者相手に崩しの練習をしたのですが「今崩れている」「今は全然効いてない」って言われても、自分がどんな力加減、タイミング、方向で相手にかけているのか実感できないんです。
    初心者の僕は「1、2、3…」なんてやってるので、相手に修正されてしまって重心をこちらで制することができないみたいです。
    上段者の方からかけられると、ほんのちょっとのきっかけで重心がずれ、それをあっというまに誘導されてしまうので修正が効かない、って感じでしょうか…
    道場によっては門外不出、見学お断りっていうところもあるそうですから、考え方はさまざまでしょうね。
    僕は他のところを見に行ってとてもためになりましたので、U爺さんも機会があれば、他のところを見れば、得るところもあるかもしれません。お勧めですよ。自分を見直すきっかけになると思います。
    僕は特に初心者で変な癖がつきはじめていたので、それに気づいたのは収穫でした。

  3. どうも。ドラネコ商会の佐山です。
    取り上げていただいて光栄です。
    ええと、上半身が固い、というのは伝わり難かったかと思い、補足しますと、自転車に乗り始めのころは、しっかりハンドルにしがみついて緊張しながら乗りますよね。あんな感じのことです。別に力一杯ハンドルを握れば運転が安定する訳ではなく、むしろ片手でも軽く添えているだけのほうが蛇行しない、ということです。別に柔軟性とかではないです。

  4. うへぇ。わかりやすい喩え、ありがとうございます。
    そうですよねえ。
    ほんで「自転車に乗れなかったときの自分」なんて忘れちゃうんでしょうね(笑)

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