塗装 -2-


僕は自分のことをフェミニストだとは思ってはいないけど、「女の人ってのはXXだ」って言い方はしたことはあんまりないつもりだ。
「男っつうのはバカだねー」みたいなことはよく言うから、これがエクスキューズになっていないことは自覚はしてるけど、それでもさ、女性っていうだけで否定的な先入観をもって見るっていうことはしてないつもりなんだけどね。
だけどさあ。
僕がこうやってえっちらおっちら手間隙かけて、その上プロがやるよりお金がかかって時間がかかって、挙句に失敗してドロドロのどヘタクソで見ちゃあいられない仕上がりになるかもしれない、ってコトをやってると、女房といいオフクロといい、皆して「お金払って頼めばいいじゃん」って言うんだよな。「新品買ったら?」とかね。
バカかと。
アホかと。
俺は俺が気が済むようにやりたいんだよ!
手間隙かかって金がかかって時間がかかって失敗してベソかいてもう一回ハクって結局プロに恥を忍んで頼みにいくかもしれんなんつうことは百も承知なんだよ。
そもそもさあ、そんな能率とか費用対効果とか考えてたら、ターボなんてつけやしねえんだよ。
いや、バイクなんて乗りゃしねえんだよ。
俺はね、このバイクが自分のものだっていう証明をしたいの。
これが俺の自己表現なの。
金を払って買ったってだけじゃなくって、もっと積極的に関わりたいの。
誰かうまい歌手の歌を聴いてるだけじゃなくて、ヘタクソでもいいから自分で歌ってみたいの。
なんでわからんかなあ。
わかりませんか……


俺はね、コケてショックだったけど、心のすみっこに「これも俺のバイクの歴史だ」って気持ちもあったんだよね。
欲が深いんだと思うけど、所有欲ってのかなあ。誰のものでもない俺だけのもの、って気持ちがあるんじゃないかと思う。
バイクを操るのが楽しい人、新車に乗るのが好きな人っている。僕ももちろんそういう部分は持ってるけど、今回、作るっていう部分でもっと関わりたいんだよね。
ターボが(海外では)有名メーカーのキットで、それを買ってきて人に頼んでつけてもらった、っていう意識がついてまわってんだよね。なんか忸怩たるものを感じちゃう。
イチから組んで男の根性見したらんかいって電波が木霊するわけよ。
デザインだって、紙の上に描いたものと実際のラインじゃあ見え方が違うし、ちょっとした修正をしたいと思っても、その場にいないと指定できない。
その上カシューなんて特殊な塗料は塗装屋が嫌がる。仕上がりの出来が悪ければ腹が立つし、奇麗に仕上がったらますます腹が立つ。なんで自分でやらなかったんだってね。
そんな理由があれこれあるからこそ、自分でやるのは必然なわけよ俺にとっては。
だけどね、そういうイチイチ俺にとっては説明するまでも無いことを説明する徒労感っつうのが、もう、めんどくさいのよ。
もう俺の中では結論がでちゃってて人に言われたからどうにかするとかいうようなもんじゃないもの。カネがいくらあっても、ビルゲイツ並みの富豪になっても俺は自分でやるよ。もちろん塗装設備にこれでもかと金をかけて。
事ある毎に「お金を貯めてやってもらったら」みたいなこと言われるもんで、終いには「説明する気も無いから言うな」って言っっちゃたよ。
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さて、それでこのカウルやタンク、#600までペーパーで研いだ。
外装全部を#600まで研ぐってのはけっこう大変だった。
でもねー
塗ってみてわかったけど、#400で十分だね。
カシューは塗料の肉持ちがいいから、下地のアラが見えないし、多分、#400くらい荒い方が塗料が食いつくだろう。
「カシュー塗装マニュアル」も買ったんだけど、そこにも#400で研げって書いてあったしね。
それでもまあ、#600までやって良かったと思う。
カシューって木工用塗装に使われることがほとんどなんで、塗装マニュアルが示してる番手でホントにいいかわかんなかったわけでさ。
ラッカースプレーだと塗膜が薄いから、#400だとキツイんだよね。カシューの性質がわかってなかったから結果的にはちょっとやり過ぎだったんだけど、おかげで実感できたんだから。

3 thoughts on “塗装 -2-

  1. いつもなんか作っていないとダメなんですよね.
    で、自分の手で考えないと納得しない.
    何かを抱えていないと落ち着かないというのもあります.
    バイクは吊るしのパーツをくっ付けても
    ヒトにペイント頼んでも…当然カタチになっちゃうわけで.
    でも道具じゃないから急がなくて良いんじゃないかと.

  2. >でも道具じゃないから急がなくて良いんじゃないかと
    でも車検が切れちゃいますから!
    今回の車検在中の走行距離はミズウミ一周と3県境までの
    片道ぐらいかな?

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