仕事でCEATECに行ってきた。
商売上「なんかウチの会社に縁がありそうな会社はないですかね」という下心で行った訳で、実のところ家電製品なんてものには一つも関心が無いのである。
本気になって買ったのは新世紀エヴァンゲリオン見たさにレーザーディスクと36インチのTVを買った15年も前の話だ。
TVはもとよりPC、オーディオ、携帯電話冷蔵庫洗濯機炊飯釜電子レンジ掃除機など、大の大人がムキになるほどのものではないと思っている。
無論カタログスペックやらクチコミやらはチェックはするが、そこは「きちんと吟味しているぞ」という嗜みであって、ひとつひとつの製品についてどうこう言おうなどとは微塵も思わぬ。「他の製品よりもすぐれた部分がある」ことを確認するのに過ぎない。どんなに能書きが立派でも、やたらとうるさい掃除機やら、20万もする炊飯器など馬鹿げているとしか思わない。
家電製品などというものは何を買ってもはずれようがないのだから。
電器店に行ってウキウキする奴の気が知れぬ。
ことほどさように、クールでドライ、いや、ごく普通の一般のおじさんのスタンスな俺なのである。
だが、どうやらCEATECという催し物は少しは「電器店でウキウキするヤツ」の関心を引くものらしい。
mixiでもいくつかCEATECについての話題があったので、俺も「今から行くよ」と一言ボイスに書き込んだのだった。
すると返事の中のひとつに「東芝のCellなんとかってどう?」なんて反応があったのだ。
たかが液晶TVである。
俺は気楽に東芝のブースに立ち寄り、パンフレットを手に取りデモ画面を見た。
いつもの東芝らしい「マニア向けの変態製品」ってのを期待して。
パンフレットを開き、説明員の話を聞いていると、ニヤニヤしながら見ていた俺の表情がだんだん険しくなっていくのが自分でもわかった。
ス ゲ エ
……
このすごさは東芝のWebサイトに行ってもわかりゃしない。
画像がすごいとか音がいいとかそんな陳腐なモンじゃない。
確かにいいが、そんなのは今のテレビの延長線でしかない。「高級なテレビ」というだけだ。
俺が何よりスゲエと思うのは、このテレビ CELL REGZAを買ったら、あなたの生活は間違いなく変わる、ってことだ。
その変化は確実に起こる。携帯電話を手にする前と後のように、目立たないが、確かに変わるんだ。
ここであらかじめ書いておくが、これをテレビだと思わない方がいい。
これは「画像処理装置」だ。
このCELL REGZA は「元の画像よりも美しく表現する」のだ。
つまり、元画像の信号から類推し、リアルタイムに元画像の足らないデータを補完して画面に映し出す。
リミテッドアニメをフルモーションアニメにするようなもんだ。
しかも「これはアニメだから過剰な処理はオミットする」ってことまでする。
YouTubeに投稿された動画までテレビで綺麗に再生できるのだ。
もちろん、ネットワーク対応だ。カーネルはlinuxであり、ブラウザはOperaなのだ。
そして、このテレビには合計3テラものハードディスクが内蔵されている。
俺は最初、この録画機能を無駄なものだと考えていた。
昔の「テレビデオ」みたいに、録画機能が故障したらテレビも一緒に修理しなくちゃいけないなんてバカげてると思っていた。
ところが、こいつは同時に8チャンネルの録画ができる。
「見れない番組を録画する」という消極的な理由ではなく「すべての番組をあらかじめ録画しておいて、自分が好きな場面だけを見る」という使い方を想定しているのだ。
だからこそ録画機能をテレビの中に組み込み「CELL REGZAでの視聴方式」を示しているのだ。
これはすごい。
CELL REGZA は今までのテレビの視聴方式を完全に否定した。
視聴者は、インターネットだろうがテレビ放送だろうがシームレスに、好きなコンテンツを好きな時間に、CM無しで、退屈な場面は飛ばして見ることができる。
それも素晴らしい画像で、だ。
これはテレビ局のビジネスモデルを破壊するものだ。
テレビ局の息の根を止める最終兵器だ。
それが「高いテレビ」の顔をしてあなたの家に侵入してくるのだ。
俺は東芝のブースで「このテレビなら100万くらいするんじゃないか」と思った。
帰ってきてググってみると、どうやらそのくらいの価格らしい。
まさに。100万円分の価値がある製品だ。それだけのインパクトをあなたの生活に与えるだろう。そして元の生活には決して戻らない。
もしあなたがテレビを買うことを考えているならば、他に選択肢など無い。
今、まさに、これを手に入れるべきだ。
唯一無二の製品なのだから。
二代目REGZAもってますよー、録画機能がついた最初のやつ
このころは日立と東芝しか録画内蔵なかったかな?
買うときは「別にレコかったほうが便利」とか「DVDにムーブできない」とかさんざん言われましたけどねー
便利っすよー 録画内蔵。これは手放せないですねー
外にレコつないだらたぶん同じようなことはできる(Cell REGZAにしても)んだとは思うんだけど、オールインワンで完結してるってのは便利ですわ。
よもさんがTwitterでつぶやいていて知ったんですが、こんなイカ臭い漢前の機械がこのご時世に出るなんて思いませんでした。
しかしまあ落ち着いて考えてみりゃ、確かにテレビ業界の根底を覆しかねない品物ですねw
HDDのビット単価がどんどん安くなる今、「単品の8チャンネル同時録画レコーダー」が一般化するやもしれませんね。
富豪主義+ソフトウェア技術のブレイクスルー?
↑これを連想。
B-CAS 6枚挿しは壮観ですなー。
半年ぐらい前にNHK出たとき、心に残るテレビ番組は?という問いに「ウゴウゴルーガ」と書いたフリップを出したのです。
思うに、テレビというメディアが家族団欒のお茶の間コミュニケーションツールからパーソナルな一方向型の娯楽情報端末への転換点がそこらへんだったのではないかと。
あと僕もバイク塗装します。NSXのオレンジに。あ、言っちゃったからやらなきゃ。
>ALL
確かに外付けの「レコーダー+グラフィックカード」でも同じようなことはできるんでしょうね。多分近いうちに同じような機能を持った製品が安く市場に出てくるんでしょうし。
しかし普通のテレビの形態から一歩も踏み出さないことが大事なんですよ、きっと。
ただのテレビを買ったと思ったら生活が変わっていた、っていうことが。
なんかねえ開発者つかまえて握手したい気分ですよ。おまいらスゲエって。漢前だって。破壊者であり創造者ですよ。
こんなん家電製品で感じたのは初めて。
せめてトラックバックのひとつでも送れたらいいのに。
映像じゃなくて「音」を補完する機能を持った
CDPが出たら欲しいかも。低品位で録音された
CDが、ナマの音(に等しいレベル)で再生できる
なんて、ちょっとステキ。
こういう変態製品は如何でしょう?
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0910/13/news099.html
↑ 3万円台の価格だそうですね〜。
面白そうですが、ちよっと高い…かな(^^;
あとは動作音がどれくらいなのか、実機
を早く見て確認したい〜。
本日発表会だとか。
でも、静かさが求められる商品なのに、構造的に爆音必至な予感。
羽根が無いから埃が付かないのは良さそうなんだけどなぁ。