忙しいと愚痴ったら相手の方が凄かったでござる

明けましておめでとうも言ったなかったよね?
いやあ、去年の暮れにさ、会社でバカげた失態があってだな、それで忙殺されていたのよ。
どんな失態かってちょっとそりゃ言えネェ。
「なんでソレで良いと思うの?」
「なんでお前ソレ自分で勝手にやっちゃうの?」
「コレごまかせると思ってやったの?」
って呆れ返るほどバカげた非常識な判断をいい立場のいいトシしたオッサンが後先考えずにやらかした、ってことなんだが。
ウチの上司がいみじくも「猿知恵」って言ったけど、まあ百歩譲っても未開の土人だわ。
腰蓑つけて鼻くそほじくりながら「あんれまあここな部品が足らなくなっちまったけえがあの部品も似たようなカッコしてっからおんなじだべえ」ってやたらめったら一緒に詰め込むのを文明開化の後じゃあ暴挙って言うんだよ。お前の首の上に載ってるこの小汚いのは飾りかコラ。
親指を目ン玉つっこんで小汚いアタマをギューッと掴んで左右にばりべきぐしゃと引っ張って爆ざしてやりたいよバカ。
社会人としての常識や想像力が欠落しちゃってて俺からすりゃバケツでウラン濃縮した東海村の臨界事故なみのサル仕事だよ。おんなじ会社でおんなじ空気吸ってることが信じられないよ。檻ン中入れて鞭でしばいて芸しこんだ方がマシだよ。お前と一緒にいるとこっちが放射能汚染で死んじまわあ。

てなことがあって、年が明けた途端に長野でタコ部屋に缶詰になってさ、後始末に終われてたワケ。土曜も日曜もあったもんじゃない。
本日只今だって別に仕事が楽になったわけじゃあないんだが、風邪をひいちゃって寝込んでいたんで外出することもなく、久しぶりにblogを書く気になったってとこでね。

で、先日の土曜日の話。
3,4日のつもりがもうちょっと、もうちょっとで伸びて、結局1月一杯まで長野勤め。都合3回もホテルのクリーニングを利用する羽目になりーの。18時間労働になりーの。っていうタコ部屋からやっとこさ帰ってきた時の話なんだけどね。
もうこの状況を誰かに聞いてもらいたい。俺もいっぱしのサラリーマンなんだから赤ちょうちんで酒飲んで愚痴の一つも言わせろオラァ!っていう気分ですよ。
あまりにバカげた不始末なんで大っぴらには言えない分、ひとこと言わせろと。それも会社の同僚じゃなくてさ。…同僚と話したって頷きあうだけだからね。明日も続く後始末が頭をよぎって落ち着いて愚痴も言えやしない。久しぶりの友達と心置きなく飲もうじゃないかって話になったわけですよ。
その友達と以前一緒に飲んだときに「これはと見込んで採用したのがアホだった」てなお話を聞いたり「仕入れた商品が全然売れなくて社員が買ったりしてる」てなサラリーマン哀歌な話があったりしたんで、ちょうど話も合いそうだったし。
まあmixiで軽く様子は伝えてあったんでね。そりゃたいへんだったご苦労様くらいは言われてみたいってもんですよ。

じゃあ川崎ででも飲もうか、って落ち合って、久しぶりの再会を祝って乾杯してだ。
まずはお話をあっためようかと最初に発した俺の質問が初手から間違っちゃった。

「あれ?今日はどこから?いつも飲むとこと違うけど。ウチはこっちの方だっけ?」
聞けば新横浜にある会社から来たと。急に忙しくなっちゃって、なんてことをと言う。
「え?こないだ会った時、全然売れなくてお茶引いてるって言ってなかったっけ?」
彼の話によると、ここ数ヶ月、突如として商品が爆発的に売れ始め、仕入れても仕入れても片っ端から見る間に無くなってしまう状況が続いているのだと。
いや、そりゃ今までと比べりゃ嬉しく思わなくちゃいけないんだろうけど、あまりに激烈すぎてもうクタクタ、客の顔がアフリカで大発生したイナゴに見えてきた、なんてことを言う。
おいおいそりゃまた一体何事が起きたの?
実は、と話し始めた友達の話がすごかった。

もう何年も前から取引のある、ある企業があってね、と友達は話し始めた。
まあ、言えば「ああ、あそこね」と大抵の人がピンとくるっていうくらい有名なんだけど、企業実態としては中小企業なんでとても巨額の取引なんてできる相手じゃない。
その上、友達の会社で扱ってる商品は小ロット小額多品種なものだから、いくら相手が気に入っても大量にはけるなんてありえない。
友達にしてみたら「数あるお客様のひとつ」でしか無かった。もちろん閑古鳥が鳴いてるような売れ行きなんで、「大切な」っていう冠はついていて、時々は相手先と一緒に食事をしたり、フランクな付き合いをしていた。

それがある日、その某社が扱っている商品のことが、彼らの周辺グループに知れた。
別に彼らはその商品を宣伝してもいないし、その商品を売りたかったわけじゃないんだが、周辺グループにとっては某社の信頼度は絶対のものだったと。まさにカリスマ的影響力を持っていた。

…よくある話、とは言えないまでも、あり得る話かもしれない。
ちょっと聞いたことがない話になっていくのはここからだ。

その周辺グループっていうか、コングロマリットっていうか、結社と言うか、規模が尋常じゃなかった。
アジア、北米、ヨーロッパにまたがる組織を持っていて構成員は500万人を越えると言う…
あの、ちょっとした国の規模なんですけど?
中国、韓国、インドネシア、マレーシア、アメリカ、ヨーロッパ。世界中からいろんな民族衣装を着た人がひっきりなしにやって来て次から次へと洗いざらい商品を買っていく。
しまいには倉庫の中が空っぽになって「あとはショーケースしか残っていません」って言ったら「じゃあそれをよこせ」と言ったとか。それホント?
しかも周辺グループの中には某社よりも潤沢な資金を持ってる連中もいるもんだから「こんな安物なんかじゃなくてもっと高いのを出せ」と真顔で言われ、3年に一度しか売れない商品が数日で在庫無しに。あまつさえ某社にカリスマ的影響力があるもんだから「彼らがこんな安い価格のものを使うはずがない。馬鹿にしてるのか」と怒り出す人まで出てくる始末。

「ウハウハじゃんか」と僕がなかば呆れながら羨ましがると、友達はため息をついた。
「そうでもないよ。新規顧客ばっかりだから対応がキツイしね。それに急にいなくなっちゃうかもしれないんだよ。彼らはウチの商品を買いに来てるんじゃなくて『某社が使ってた商品』が欲しいんだから。ある日某社が別の会社のものを使い始めたら、一気に急ブレーキだ。いい気になって考え無しに拡大成長なんてしようもんならえらい目にあうに決まってる。なんとかソフトランディングさせたくて、そっちの方で悩んじゃうよ」
うーん、まあそりゃそうだなあ、と僕も一緒になってため息が伝染しちゃったってわけだ。
「しかし相手が巨大すぎるわなあ。津波みたいに」と僕が言うと
「本気ででかいからねえ。某社の利益を守るために国まで動かすらしいよ」
「まさか、中小企業だろ」
「いや実際政治運動が始まってるってさ」
「国を動かす連中を相手に商売ですかあ。うーん」

結局自分の愚痴なんてどっかにいっちまって友達の途方も無い話をおもしろがって聞いてしまってた。
まあいいか。
気分転換になったしあんまりバカバカしすぎて笑えたし。

4 thoughts on “忙しいと愚痴ったら相手の方が凄かったでござる

  1. のまd大兄様おつかれさまです。
    他人のケツフキは辛いですねぇー

    しかし、なんですか、そのサラリーマン金太郎みたいな話はw

  2. 激遅レスながら…
    兄貴。長野に居たんスか
    連絡いただければお酒でも持参して伺ったのに

    残念

    まぁ兄貴は仕事でそれ所じゃ無かった様子ですね

    また長野方面に出張なさるようでしたらば今度は予告して下さい
    ^^;

    でも長野に来る時はロクな用事ではなさそうな気が…

  3. 了解しますた
    まあ、さすがにそう何度もロクでもないことにはならんでしょう。
    もしもなったとしても、ま、それはそれで。
    ぜひ飲みましょうww

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