クレーン(1)

さて。
そろそろ心のキズが癒えてきたので書くことにする。
が、俺のガラスのハートは思春期の処女の中学生並みである。まずはオマイラそのへんをよくよく承知した上で慈悲の心を持ってこの先を読むがいい。
いや、やっぱ読むのはヤメレ。なんだかオマイラが「そんなこと気にせず頑張って!」とかコメントするところを想像したらムカムカしてきた。
人生、まじめにライダーをやってると、2度や3度はクレーンのお世話になるもんだ。
僕は、えーと、2回くらいかな。
…いやすまん3回だった。
「普通そうだよね?」と友達に聞いたら「そんなことあるわけねえよ」と笑われた。
「せいぜいレッカーだろ」と友達は続けた。
友達が言うには「サーキットでコケて、コーナーごとにコケてる連中のバイクをユニックで荷台に乗せてさ、泥だらけになったバイクと一緒に荷台に乗って、他のコケたヤツラと目を合わせないようにしながら運ばれてくって、これはなかなかのモンだぜ」ということだ。
「ドナドナドーナード~ナ~♪」
ああ、バカの友達っていいよね。
その日、俺は久しぶりにハヤブサ ターボを受け取った。
茶臼山でコケて、サイレンサーがモゲてしまったので、ナカミチさんに直してもらったのだ。
……

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