クルマ

ウチのクルマはもう10年選手で、ずいぶん前から新しいクルマに替えたいと思っていろいろと考えていた。
考えていたって言ったって、俺のことだから大抵行き当たりばったりで、適当なことを放言しては周囲の人々の失笑を買ったり不安に陥れたり怒りを露わにしたり混乱を招いたり辟易したり涙を誘ったり感動の超大作だったり全米ナンバーワンだったりこのペンはあなたのものですか、いいえそれは私のものではありませんだったりした。
社会生活というものが苦手で社会に適応した(つまり家族が納得する)買い物ができないのだ。
俺が欲しいというものが、経済的条件にかけ離れていたり用途を考慮していなかったり(中略)その醤油をとってください。いいえ、目玉焼きにかけるのです。だったりするのだ。
例えば、家族が乗れて荷物が積めるクルマが欲しいとする。
ワンボックスは嫌いだ。操縦性が悪いし「走る」目的のものではない。
大型セダンというわけにはいかないとすると、SUVはどうか。高速走行は苦手だが悪路走破性という面で「走る」目的は満足できる。そうだ、SUVだ。
Yahoo! やgooで検索だ。
最初の釣り記事は高級SUVが載っているが…
何がポルシェカイエンだ。バカか。たわけか。
何が悲しうてポルシェのSUVを買うのだ。ポルシェ買うならカレラにせれドアホウ。こんなもん乗るならジープチェロキーの方が24倍偉いぞ。エスクードの方が128倍偉いぞ。ジムニーの方が1024=1M倍偉いぞ。あっそうかジムニーか。ジジジジムニー。ジムニートラック!
や。
ややや。いやまて、チョト待て。ああ危ないところだったジムニーは軽だ。いやジムニーを買うなら軽でなければならない。軽でなきゃジムニー買う意味が無い。だが軽は4人乗りだ。ジムニートラックは二人乗りだ。しかも幌仕様だ。かっこいいなあ。
や。そうじゃなく。ジムニーを買ったらまた奥さんに脇腹をアイロンで打ちのめされる。それはいかん。子供も泣く。しかしあれはウソ泣きではないか。いやしかし。
とにかくカイエンよりもジムニーの方が将来は明るく希望に満ち溢れ社会は安定し人々の尊敬を得ていずれは大統領に推され女子高生を中心にモテモテなマブダマであることは証明されたが惜しむらくは買えないのである。
では何だ。ハリアーか。バカ死ね潰した上にウンコ乗せちゃる。ハリアーは垂直離着陸するものだ。なんでカイエンと来てハリアーなのだ。なぜにそういう連想をする。そういう連想をするヤツはバカだ。死ね俺の脳。
カイエンハリアーとくればMクラスだと。なんだそのそのその腐れたイボイノシシみたいな。
本気でダメだな。本気と書いてマジと読むくらいダメだな。素でダメだな。エスクードにせれ。
世の中にはホモじゃないとダメとかスカトロじゃないとイカないとかそういうヘンタイさんは多いっちゅうが、こういうのを売ってるってこたあそういうのを買ってるのがいるわけで、やっぱりヘンタイさんはいるものだなあヘンタイさんよ。
Mクラス買うならゲレンデヴァーゲンだろうよ。うん。
まあ、このくらいになればな、まあ、そうだな、ランクルと比べてやってもいい。だがランクルvsゲレンデヴァーゲンって言えばコストパフォーマンスはランクルだわな。たかがトラックだしな。こんなもんに大枚はたいて汚れたらあわてて洗って顔が映るくらいワックスかけて。アホか。
働くクルマは働いてるからカッコイイんじゃねえか。
ランクルも中古で海外で働いてるからカッコイイ。窃盗団に大人気。
働くクルマのよさがわかるヤツがおらんっちゅうのはおじさん悲しい。わびしい。情けない。
働く男の後姿。哀愁。流れる汗。したたる汁。ちょっと薄くなったてっぺんに輝く後光。ハナゲに混じる白髪。腕を組み目を瞑り無念無想の境地。キーボードに落ちるよだれ。いびき。え?あ、部長。僕はいや、そんなヘンなサイトは見てません。ででで出会い系?やややや。そ。それわ。
くそう。オトナはわかってくれない。
この真摯に働く男のわずかな休息の時間を奪うなんて。
こんな時、俺が働くクルマなら。
そう、それは。おお。そうとも。それはウニモグ。UNIversal-MOtor-Gerate:UNIMOG
ウニモグの向かうところそこは荒野。そこは戦場。そこは開拓地。共に闘う我々の逞しき道具。
無骨ゆえに美を内包するのだ。
今のUNIMOGはなー。確かに便利に快適になってるけど、やっぱり逞しさから言えば先々代の406あたりが好みだなー。まだまだ使えるしなー。
406nato01.jpg
最終型なら78年あたりまであるし。これでダブルキャビン。
おおー。家族で乗れて。
完璧。
おーい奥さーん。クルマ決まったよー。
…んっがぐっぐ。
は、腹にアイロンが

塗装 -2-


僕は自分のことをフェミニストだとは思ってはいないけど、「女の人ってのはXXだ」って言い方はしたことはあんまりないつもりだ。
「男っつうのはバカだねー」みたいなことはよく言うから、これがエクスキューズになっていないことは自覚はしてるけど、それでもさ、女性っていうだけで否定的な先入観をもって見るっていうことはしてないつもりなんだけどね。
だけどさあ。
僕がこうやってえっちらおっちら手間隙かけて、その上プロがやるよりお金がかかって時間がかかって、挙句に失敗してドロドロのどヘタクソで見ちゃあいられない仕上がりになるかもしれない、ってコトをやってると、女房といいオフクロといい、皆して「お金払って頼めばいいじゃん」って言うんだよな。「新品買ったら?」とかね。
バカかと。
アホかと。
俺は俺が気が済むようにやりたいんだよ!
手間隙かかって金がかかって時間がかかって失敗してベソかいてもう一回ハクって結局プロに恥を忍んで頼みにいくかもしれんなんつうことは百も承知なんだよ。
そもそもさあ、そんな能率とか費用対効果とか考えてたら、ターボなんてつけやしねえんだよ。
いや、バイクなんて乗りゃしねえんだよ。
俺はね、このバイクが自分のものだっていう証明をしたいの。
これが俺の自己表現なの。
金を払って買ったってだけじゃなくって、もっと積極的に関わりたいの。
誰かうまい歌手の歌を聴いてるだけじゃなくて、ヘタクソでもいいから自分で歌ってみたいの。
なんでわからんかなあ。
わかりませんか……

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塗装 -1-

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このゴールデンウィークをあらかた使って蒔絵塗装をやってきますた。
まあエラソーに蒔絵って言ってもカシューなんですけどね(笑)
とりあえず蒔絵って言っといた方がハッタリが効くかと。
ご覧のように、下塗り、奇麗にできてるでしょ。
…すまん。日和った。
カネ払って近所の自動車板金でパテと下塗りしてもらった。
ああ、あんなに苦労してパテを盛っては削り盛っては削り、ペーパーも指紋がなくなるほどに泣きながらこすこすこすこすこすこすこすこすスリスリした挙句にパーパー目は出るわエッジは甘くなるわだったとゆうのに、たった2万円でカウルもタンクも見栄え良く一週間で上がって来ましたわ。
ええい口惜しや。
なんかねえ、ひどく負けたような気がするよ。
ホントは下ごしらえが塗装のキモだってえのにね。
しかしねー。腹立つほど良くできてますわ。プロの仕事は。
確かに、見えないところはけっこう適当。塗膜も薄い。けど、その分、仕事が早いしエッジもきちんと出てる。見えないところにまで気を使う必要なんか無い、ってことなんだろうね。
ミストが気になるようなら塗装の時に自分で直せばいいんだしさ。
仕事が早くて面の張りがあってエッジが出てて2万円。
プロの仕事は安いよ。
うっかりするとパテやらシンナーやら塗料やらペーパーやらウェスやらサフェーサーやらの材料費でそのくらいの値段になっちゃうよ。
うーん。プロの仕事は安い。

作るということ

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先日、「1/1ボトムズ」の個展を見に行った。
「根性試しに作ってる」というフレーズ、アタマの中で木霊して、僕の心を揺さぶる。
僕はだいぶいい所まで生きてきてしまっている。このフレーズに、僕は何か証明するために、自分にできる精一杯の根性を見せる頃合なんじゃないかと気づかされたような気がする。
いやまあ、人生の中のどの地点にいるかなんて関係は無いのかもしれないけれど、ともかく!僕は、今、何か根性を試さなくっちゃいけないんじゃないかと思っちゃったのだった。
なんてったって、ここにバカな根性を試してるヤツがいるんだからさ。
ボトムズなんて、芸術じゃない。役に立たない。文化的な評価なんてされない。
だけど、kogoroはそれを作りたかったのよ。
無駄に過剰な熱情をそれに賭けたかったのよ。
僕はねえ、その熱情に、強烈にシンパシーを感じるね。
僕は会期中、何度か足を運んだけど、もうね。見てるだけでウルウルっときたね。
ボトムズなんて僕はファンじゃない。このバカなモノを作り上げたその根性に、よくやった、と。

クルマ

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バイクのローンも終わった今、いよいよクルマも買い換えたいと思っている昨今でございます。
今乗ってるのは95年のメルセデスベンツC280スポーツラインなんですけどね。
もう、これが大失敗。
そもそも、これが俺が乗るべき車だったのか? ってネタ的視点からまず失敗でね。
そりゃ買ったばっかりは所有感っていうか、まあぶっちゃけ見栄が満たされたけど。しかしそれも陥穽でさ。そんなベンツに乗ってるからって喜ぶ程度のスノッブなのか俺は。と。
乗って嬉しいって感じることがもう嬉しくないってメビウス地獄。
ほんで、世間で言うほど良いクルマじゃない、ってのが。
峠道ではいいけれど、高速コーナーではヨッコラショってなっちゃうし、Gが抜けたときのサスのストロークが宙ぶらりんでグリップの不安感がついて回るんだよね。とても高速道路で200km/hで巡航できるようなクルマじゃないんだよなあ。これがスポーツラインなの?って感じでさあ。
昔から言われてきたような「アウトバーンで育った高級車」なんかじゃないです。
クルマっつうのはねえ、俺に言わせりゃボカチンとアクセル踏んだら200kmや300kmで走らなかんのですよ。ブンブンバカンバカン走って行って、先行車をキュッキュスパンスパン右に左にかわしながら抜いていかにゃあ。200kmで巡航してても前がちょっとあいたらアクセルを床が抜けるほど踏み込んで、タイヤスモーク上げながら加速せんとかんのだわ。
それがクルマの全部。
インテリアが高級だの皮シートだのサンルーフがどうのブレーキが鳴くとか内装がギシギシ言うとかエンジン音が室内にとかオーディオがとか。
そんなもんクルマの価値なんかじゃねえわ。オマケだ。包み紙だ。そんなもんはバカタレのクソタレの今すぐ持って帰ってオナニーして寝れっつうこった。
だいたいオメーラ、自分ちに電動の窓があるか? 電動のソファーがあるか? ちゃんとしたオーディオでちゃんとした音楽聴いてるのか? 月明かりを見にテラスに出るのか?
もしソレを全部やってたとして、本当に自分のクルマにそんなもん必要なのか?
だからねえ。もっと本気のクルマが欲しいですよ。
フォードモンデオSTのカタログは手に入れましたが。
金さえあればTVRが欲しいんですけどね。キミーラなら…とか思うけど、オープン二人乗りじゃあダメに決まってるわけで。
家族で乗れて、何の飾りもなく、とにかくやたらとボディとエンジンと足回りがしっかりしてるクルマ。
まあそんなもんは無いんですが、それに近いクルマって何があるですかねえ。
(ウチの奥さんは「300万なんて出せないわよ」って言ってます。誰かが散財したせいだって。悪いやつがいるなあ。こらしめてやらんと)

塗装について -そにょ5- 失敗篇

えー。
なんかやっつまったげな予感。
カウリングの傷部分を修正しようとパテ盛ったところ、ポロポロはがれてくるだす。
もしかして…と心当たりが。
PPプライマー噴いてほったらかしにしてらたるりしてらてるれっちゃれ
プライマーの上にパテ盛ればなおさらガッチリはりつくに違いないと思いましたですが…
えー。バイクのカウル、ABSでした。えー。
ABSだとはわかっていましたがプラスチックにそのまんま塗るよりプライマー塗った方がいいに違いないPPに乗るんだからPPプライマー塗ればなおさらそらもう強固にはっつくに違いないに決まっているのだソーダソーダ苛性ソーダ。
と思いましたが違いましたか。違いますか。
……

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塗装について -そにょ4- 手痛い停滞

えー。
てんで進んでいません。
ご指摘の通り、順調に失敗しております。s2-rearcowl.jpgラッカーパテで補修した部分。みごとに痩せますた。
修正するならラッカーパテをハクってポリパテでやり直しなんでしょうね。
ポリパテ、ホームセンターの「ソフト99」のチューブのヤツなんかじゃなくてロックペイントの1kg缶くらいは買った方が良さそうです。
なんか伝え聞いた話では「30kgパテを盛って25kg削った」なんてこともあるらしいですし。
ご覧のリアカウルでは透かしてみてもなんかうまく修正できているように見えますが、実はパテの境目が凹んでます。へこむというよりもパテの量が足らない、ってことなんでしょうが……

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塗装について -そにょ3- 補修

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僕がバイクの塗装をやってることをクオリア忘年会で話したら、興味を持ってくれた人がいて、しばらく話をしました。
完成したときの達成感とか、理想を実現したときの充実感とか、そんな話です。
前回のエントリでもちょっと触れましたが、残念ながら、そういうクライマックスっていうのは無さそうですよ。
ちょうど湯川ファンクラブのグリペンさん(このハンドルだけで彼が何者かわかる)も交えてお話したんですけど、作業を終える時はある意味「諦めた時」なんです。
何度も何度も研いではパテを盛り、研いではパテを盛り、「このままやり続けてもこれ以上うまくはいきそうも無いな」「今の僕の技術じゃあここが限界かな」って思った時が作業を終えるポイントなんです。
理想どおりのモノが作れたから完了、なんてのはありません……

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塗装について -そにょ2- 補修 

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ヤフオクで”間違って落ちちゃった”ハヤブサのレース用リヤカウルです。
1プライのペラペラで歪みもあるし、所々割れてますね。
これを直すってわけです。
うーん。
どうなんすか。
こうして毎日毎日じわじわといじっていると、なんか、よくわかりません。
エントリすべきポイントごとのイベントなんてものはなく「言われたとおりに長々といじっていくと少しずつそれなりになる」としか申し上げられないのですね。
で、こういう写真っておもしろいすか? 僕にはそれほど感慨はないんです……

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塗装について -たぶんそにょ1-

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そろそろですなあ。はい。
このblogですが、新しい記事のエントリが途絶えたまま古い記事にコメントがついたりすると、メインページ(これを本来ホームページと言うんだが)の記事が消えちゃうんですね。
ありがたいケツ叩きシステムになっております。
ほんでですねえ。塗装の下地を作ってますが、ご要望の通り、失敗しつづけております。
先に総論を書きますと
1.場所をまず確保しろ
2.耐水ペーパーとシンナーとウエスは大量に用意しろ
3.剥離剤は使うな。シール剥がしも使うな
4.元の塗装はできるだけ落とすな

 …なんかねえ、こう書いちゃうとあんまりありがたみがないですねえ。当たり前過ぎて。
 しかし、失敗してみると、なぜこういう当たり前のことが大事なのかっつうのが良くわかります……

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